CURAFTの最新作「希望の港」が国際ビールコンクールIBC2026 (International Beer Cup) で銀メダルを受賞しました。
CURAFTがIBCで賞を獲得するのは 2023年(風の通り道)、2025年(こがねの香り)そして今回の、2026年(希望の港)で3回目。
学生達が発案し、千葉大学内にある試験醸造設備(千葉大学リサーチブルワリー:CURB)で試験醸造し、株式会社CURAFTが製品化、大網白里のブルワリーRusty Nest Breweryにて醸造されたクラフトビールです。
希望の港が生まれた背景、ビアスタイルの解説、外観、フードペアリングについて
【背景】
「杉原千畝 命のビザ記念講演会 ~一人が救った25万人の命~」を開催するにあたり、参加者の皆様に歴史の記憶をより深く、五感で刻んでいただきたいという思いから、千葉大学グローバル研究会の松井教授が千葉大CURAFT(クラフト:教員・学生の有志プロジェクト)へ、本イベントのための特別なビール醸造を依頼しました。
- ビアスタイルの解説 バルチックスタイル・ポーター
単なる黒ビール(ポーター)ではない。「バルト海」だからこそ生まれた味:
「ポーター」と聞くと、英国発祥のすっきりとしたエール(上面発酵)を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、「希望の港」のビアスタイル「バルチックスタイル・ポーター(Baltic Style Porter)」は、ポーターと言いながらも実は、ラガー(下面発酵)です。
18世紀、英国からバルト海沿岸諸国へ輸出されていた濃厚なポーターは、極寒のバルト海を渡る航海に耐えうるようアルコール度数が高められていました。リトアニアをはじめとする現地の人々は、ポーターに自国の伝統的な下面発酵(ラガー技術)を取り入れ、独自の黒ビールへと進化させたのです。
ラガー酵母による極めてクリーンでシルキーな舌触り。過酷な寒冷地を生き抜く人々に寄り添い、今日まで愛され続けてきた「バルト海沿岸の至宝」とも呼べる味わいです。
杉原千畝氏が命のビザを発給したカウナスは、まさにこのバルト海沿岸・リトアニアの地です。彼が救った数多の命は、やがて極東を経由し、海を渡って世界中へと羽ばたいていきました。
バルトの歴史と人々に深く根ざしたこのビアスタイルを、松井教授と千葉大CURAFTが幾重にも対話を重ねてデザインしたオリジナルラベルに包み、『希望の港』と名付けました。
千葉大CURAFTが株式会社CURAFTに製品化を依頼。大網白里にあるRusty Nest Breweryで醸造されました。
実は、この「バルチック・ポーター」というスタイルは、国内のビアバーや飲食店でも取り扱っているお店がほとんどみかけない珍しいビアスタイルです。
- テイスティングノート
外観(Look): 光を透かさない深遠な漆黒。グラスに注ぐと、きめ細やかで濃密色の泡がふくよかに立ち上がります。
アロマ(Aroma): 注ぎたては、カカオニブやエスプレッソ、ローストした黒パンの落ち着いた香り。液温が10〜13℃ほどに上がると、乾燥プルーン、ダークチェリー、レーズンを思わせるドライフルーツ様の芳醇なエステルがふわりと広がり、複雑な奥行きを見せます。
フレーバー&マウスフィール(Flavor & Mouthfeel): 口に含んだ瞬間に感じるのは、下面発酵(ラガー)ならではの雑味のない澄んだクリーンさと、贅沢に使われたモルトのリッチな甘みがベルベットのように舌を包み込みます。アルコールの温かみが心地よく、余韻にはカラメルの様な甘さとビターチョコレートのようなほろ苦い上品なコクが長く残ります。 - フードペアリング提案
定番料理:牛すね肉の赤ワイン煮込み / デミグラスハンバーグ
ペアリングロジック: バルチック・ポーターが持つ濃縮された果実香とローストモルトのコクが、赤ワインやデミグラスソースの凝縮された旨味・メイラード反応の風味と同調。肉の脂をビールのアルコールと穏やかな炭酸が優しく包み込みます。 意外性・異国情緒:ドライフルーツ入りライ麦パン & ブルーチーズ(または熟成ゴーダ)
ペアリングロジック: 北欧〜バルト三国で親しまれる黒パンの酸味と香ばしさは、モルト構成と直結。塩気の効いた熟成チーズを合わせることで、モルトの甘みが引き立ち、チーズの濃厚なアミノ酸の旨味をフルーティーなアロマが華やかに昇華させます。 デザート:濃厚ガトーショコラ / ベリーソース添え
ペアリングロジック: カカオの深みとダークモルトが一体化し、ビールに含まれるダークチェリー様のアロマが、まるでケーキに添えられたベリーソースのような役割を果たします。
「バルチック・ポーター」は、日本の居酒屋やバー、街の酒屋さんではほとんど出合えない珍しいビールです。杉原千畝氏が命を繋いだ「リトアニアの歴史」と深く結びついているからこそ、この講演会のために特別に醸造が実現しました。ワイングラスに注ぎ、少しぬるめの温度で、特別な夜のひとときにゆっくりとご堪能ください。
